Yahooブログに投稿していた特許等知財関連記事を再投稿します。
私自身のうちにある、伝えたい気持ちを再認識させられます。

(Yahooブログは2019年内に終了します。)

阿刀田実の「あとから 実る」131

2008/11/11(火) 午前 9:54

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“特許法の目的の再認識”
 ここで特許法の存在意義についての私見を述べて見たいと思います。なお、以下の内容は大企業の意識しているものではなく、私の関係対象の中小企業や個人を頭に入れた形のものであり、その域を出ないものであることを御理解して戴き度く思います。
 我々が新しいと思われる物や方法を考え出した時、これを自分自身のみで温めておくこともあると思いますが、新しい物や方法の発明を世の中に出して見たいと思うのが普通でしよう。
 この場合、大金を得るとか名誉を得るとか、世の中への貢献のためとか色々と個人によって相違する処置が取られると思いますが、一般にはとにかく独占権を得たいと思う人が多いと思います。
 そのため、特許等の出願をして特許権と言う独占権を取得する処置がとられると思います。特許法としてはこの独占権を得るために色々の必要要件を定めています。そのため、特許法は発明者に独占権を与えることを大きな目的としているように思いますが、これは全く違うと私は思います。
 特許法の目的はその法律の第1条にありますように産業上の発展に寄与するためのものであり、個人にのみメリットを与えるものでは決してありません。この基本的な考え方をしっかりともっていないと独占権のみが強調され、やたらに特許権侵害等のトラブルを招くことになります。
 更に、その権利をなるべく他の人が使用できないように特許請求の範囲の内容を詳細に検討し、洩れのない請求範囲を作り出すことに汲々とする結果を招くことになります。このことは我が国のみが例外でなく、恐らく各国とも前記のような考え方が多くあると思われます。

 

阿刀田実の「あとから 実る」132

2008/11/12(水) 午前 10:52

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 一方、特許法をある程度理解されている人々の中には出願するとその内容が公開され他人に特許の内容がわかり折角お金と努力をかけて特許出願しても皆に知られて公知のものとなり、権利取得まではその発明を自由に使用することができることになり、何のために高価なお金を出して出願したかがわからなくなると言う意見がよく出て来ます。
 そのため、発明をしても出願をしないでノウハウとして保存する道を選択することが賢明であると言う考え方が出て来ます。
 以上のことは前記のように特許法の目的が産業上の発展に寄与することにあると言う基本的考え方を忘れたことによるものと思います。
 以上のことをもう少し整理して見ます。まず、今までに無い新しいものを考え出したとします。この新しいものを考え出すことは誰でもが出来ることではなく、その人の能力が高く、かつ環境に恵まれていたことによると思います。
 従って、発明をしたと言うことだけでもその人は素晴らしい人であり、世の中に貢献することのできる人であり、それ自体として名誉があり喜ぶべきことと思います。前記のように新しい発明を考え出した後のステップとしてこの発明で儲けて個人的なメリットを得ようと考える人とその発明を広く世に紹介し、これを具現化して世の中のために立てようとする考え方の2つに大きく分かれます。
 前者の考えをもっと前記のように、その発明の価値を個人のメリットを得るもののみの考え方となり、人に真似されない独占権を得るようにし、更に権利侵害について常に目を光らすようになります。また、他人がその発明を使用したり利用したりしてメリットを得ることを強く嫌うことになり、穏やかな日々を過ごすことが出来ないことになる可能性が高くなります。
 また、他人と協力してその発明を更に優れたものにしようとする努力が欠けることになります。勿論、人間には欲があり、折角考え出した発明で個人的のメリットを得ようとする考え方を否定するものではありませんし、この欲が次の新しい発明を考え出す力にもなることを否定するものではありません。
 しかしながら、この考え方から少し離れて特許法の目的を考えることが是非必要であり、結果として大きなメリットを得ることができると思います。

 

阿刀田実の「あとから 実る」133

2008/11/13(木) 午前 9:46

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・・・・・・・・・○△□。
 即ち、個人の発明の中には素晴らしいものがありますが、それだけでは物にならないものもあり、その発明をベースとして実際に役立つ内容のものにして行く努力がなによりも必要と思います。
 そのためには、その発明をより高めるための努力をすることが必要であり、具体的には、自分のホームページ等により発明を公開しその発明の協力者や実施希望者等を見つけ出し、共にその発明の具現化の努力することが最も法の目的を満足させることになるのではないでしようか?
 このような努力不足により、世の中には死蔵特許が反乱し、役に立つことが出来る発明が埋もれてしまい、発明者も世の中も大きな損害を得ることになると思います。一方、その発明が具現化され実施されれば発明者にも自然にお金が入り、大きなメリットが生ずることは言うまでもありません。
 今の特許を囲む世界はどうもギスギスした面が多く、もう少しその発明の有効利用が容易にできるような法的な工夫も必要だと思いますが、よい提案はないでしようか?
 私自身も個人や中小企業の特許のお手伝いを長くしておりますが、独占権取得にのみ汲々してその発明を世の中に立てる努力が確かに不足していることを痛感し、是非発明の独占と言う思想を極力廃除してその有効化の努力を積極的に進め、かつ発明者にもメリットが生ずる方策を考えて行きたいと思っています。
 インターネットやITの時代ですので何かよい方策があるように思います。

 

阿刀田実の「あとから 実る」134

2008/11/19(水) 午前 11:10

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“特許等の出願の必要性”
 産業財産権(昔の言い方では工業所有権)としては大別して特許,実用新案,意匠,商標の4つが挙げられます。
 我々が何かの発明や考案をしたり、新しい意匠を考え出したり、新しいネーミングを考え出した場合に権利を取得したいと普通考えます。そのためにはこれ等に関する出願をする必要があり、法律等に定められている内容を基にして特許庁への手続きをする必要があります。
 しかしながら、その前にこれ等の発明等を本当に出願する必要があるか否かを色々の方面から考えることが必要と思い、少し私見を述べたいと思いますので参考にして下さい。
 新しい発明を考え出した場合、ただ権利を取得して自己満足のみをしようと思う人は少なく、権利を取得し、何等かの金銭的メリットを獲得したいと思うのが一般でしよう。そのためには発明者がメリットを得ることに逆行する行動が起きると困ると思うのが普通です。
 特許法の目的はこのメリットをベースにしているものではありませんが、通常発明者はメリットを考えるのが普通です。
・・・つづく

 

阿刀田実の「あとから 実る」135 (1)

2008/11/20(木) 午前 9:59

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“特許等の出願の必要性”
 この点について少し考えて見ると特許法では必ず1年6ヶ月でその内容が公開されます。即ち、1年6ヶ月たつと発明の内容が第三者に解ってしまいます。従って、1年6ヶ月までにその発明について権利を取得していなければ第三者がその発明と同じ内容のものを実施しても、全く差し支えありません。
 勿論、発明者に先願権があるため第三者は同じものを出願することは出来ませんが、実施することは出来ます。このため、第三者が発明者よりもその発明を実施してメリットを得る力がある場合は第三者が大きなメリットを得ることが生じます。
 また、第三者はその発明の内容を基にしてより優れた発明を考え出すこともでき、発明者がその発明を実施しても大きなメリットを得ることが出来なくなる場合もあります。このことは昔から言われているように“敵に塩を送る”と言うものに相当します。
 なお、早期審査と言う制度もあり、公開前に権利を取得することも可能ですが出願時の費用がかなり高額になります。新しい発明と自分が思っていても世の中には同一又は類似のものがあり、必ず権利を取得できるとは限らない場合もあり、当初からの大きな出費は危険の場合もあります。
 よくカタログに出願中との記載がありますが、特許についての知識のある人にはこの言葉は殆ど気にするものではなく、かえってその発明者の今後の商売の方向を見出される1つの目安ともなります。
 このリスクがあるため出願から1年6ヶ月の内にその発明について商品として完成してビジネスを展開することができれば市場先行となりメリットを得ることができますが実際上難しい問題もあります。
・・・つづく

 

阿刀田実の「あとから 実る」136

2008/11/21(金) 午前 9:51

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 以上のことから私は発明者は他人がマネをすることを十分に考え、かつマネをされることはその発明が市場性があるものと考えて出願することが必要であり、何によりもその発明について市場先行を行うことが最も必要にあると考えることが大切であり、この考えや行動がなければ出願をしない方がよいのではないかと私は思っております。
 また、出願は先願権を得る有効の手段と考え少なくとも他人から侵害である等のクレームが生じないことを防止する1つの手段であると考えることも必要でしよう。
 勿論、折角よい発明を考えたのだから一日も早く実施計画を立て市場優先性を確保し、更にその発明をベースにして次の優れた発明を続行して行く行動が何よりも必要であり、この行動がないのに出願することは防けるべきものと思います。
 また、費用の面では出願から権利取得まで専門家に依頼すると100万円位はかかる場合があります。また、その発明を市場性のある商品にするためにはかなり高額の費用がかかります。
 従って、その発明の出願に当たっては以上のリスクを十分に考え、かつその発明の実施の可能性も十分に考えて行うことが大切のことと思います。
 世の中には折角出願したのに何等のメリットも生じない所謂死蔵発明が山積みになっていることを十分に理解して下さい。
 以上のことから私が出願を否定しているよに思うかも知れませんが、私は出願は1つの手段であり、そのリスクを十分に理解している場合は重要の手段とは思いますが、何よりも必要なことはその発明を市場に出すための試みや実行力があるかと言うことが最も必要であると思います。
 その発明をノウハウとして公開せずに商品開発すること1つの有効手段と思いますが、他人が同一のものを出願された場合のリスクもあり、その点についても事前に深く考えておくことも必要です。
 「飼い犬に手を噛まれる」と言うこともあり、注意と配慮が必要と思います。

 

阿刀田実の「あとから 実る」137

2008/11/25(火) 午前 11:46

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 昔は考案についても殆ど発明と同じ処置がされていましたが、法改制により実用新案については書式審査のみで権利化が可能となり、内容の審査が行われなくなりました。
 この法の目的は私は理解できず、今でも疑問に思っておりますが、実用新案については書式的に合格であれば権利化になり、権利をとることが難しいものでも権利取得することができます。
 また、その権利化のためには出願から6ヶ月の短期間で可能です。そのため、とにかく権利化したい考案については実用新案登録出願をすることが有効です。
 このため年間約数万件の実用新案登録出願が存在しております。しかしながら、実用新案については内容審査がないため、その権利には無効理由を有するものもあり、安定した確実の権利とは言えません。
 即ち、後に無効となる恐れが多分にあります。従って、実用新案登録出願はカタログ等に出願中でなく権利取得と書くことができ営業上のメリットを得る手段と考えるのが必要であり、このメリットを得るものとしての出願については価値があると思います。
 なお、実用新案登録出願の場合は、有料ですが技術評価書による審査があり、これで6点を取得する内容のものは強い権利を有するものと考えることができますが、この場合でも無効理由のない確実の権利であると判断するのは危険であると思います。
 また、実用新案の場合、他人への侵害等の行動においては必ず技術評価書を添付する必要があることを認識しておく必要があります。
 なお、実用新案と特許とをからませる所謂「ウルトラC」の出願方式について私は考えましたが、この辺の内容は後日紹介しようと思っております。

 

阿刀田実の「あとから 実る」138

2008/11/26(水) 午前 10:21

 

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::::::::::::::「ロゴマーク」
 外観美があるが技術的内容のない着想については意匠登録出願があります。美観性に優れ、かつ先行意匠のないものについては意匠権を得ることができ、成功例も多くあります。
 勿論、意匠登録出願は審査されますので実用新案権とは異なり確定した権利となります。そのため、「実用新案登録出願」の替りに「意匠登録出願」をするケースも多く見られ、成功しております。但し、昔は意匠権を獲得するまでかなりの時間がかかりましたが、最近では1年以内、早い場合は6ヶ月位で権利取得が可能であり、美観に重点のある着想については意匠登録出願が有効と思います。
 なお、意匠法には公開制度がなく、前記のようなリスクは少ないが、やはり内容がいづれ公表されるため他人に塩を送ることになるリスクは当然存在します。しかし、前記のように真似されるのはその意匠が優れたものであり、市場性があると判断されるため権利化に頼らず営業力により払販することが何よりも必要でしよう。
 よいネーミングについては商標登録出願があり、この権利化によるメリットはあります。ブランド化には商標は特に必要です。登録要件としては商標は少し難しい点がありますが、私は先行技術を調査し、常識的におかしくないと思われるものについては出願することをお勧めいたします。Rマークは商売上においても大きなメリットがあります。
 この商標法には公開制度がありますが、かなり確実の先行技術の調査も素人でも可能のため、高い成功率での出願は可能です。しかしながら、商標法における登録要件(第3条)や(第4条)については目を通しておくことが必要でしよう。特に、“ロゴマーク”については権利取得の確率は高く、色々と考えることも楽しい面もあります。費用安く、存続期間も10年から更新により永久権ともなり、有用な出願と思います。
 特に、最近では小売や卸売り業も出願可能であり、独自商品を販売している人やそのサービスを行っている人々は是非商標登録出願し、可能ならば商品のブランド化を進めて下さい。なお、商品のブランド化についても後記する予定でおります。

 

阿刀田実の「あとから 実る」139

2008/12/2(火) 午前 11:20

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     “発明等の新規性について”
 発明等は新しいものでなければならないことは誰でも知っていることであります。しかしながら、この新しいと言うことを特許法では「新規性」と言っておりますが、意外にこの「新規性」について正確な知識を持っている方が少ないようです。
 特許法では「特許の要件」としての第29条にその新規性について明確に規定しており、この要件に反するものは拒絶の対象となります。その内容は特許出願をする前に日本国又は外国において公然と知られている発明や公然と実施されている発明は特許を受けることができないとされています。また、特許出願前に日本国内又は外国において頒布された刊行物に記載されている発明や電気通信回線(インターネット等)を通じて公衆が利用可能となった発明も特許を受けることができないとされています。
 このような規定があるため、おそらく厳密には特許を受けることのできる発明は極めて少ないものと考えられます。しかしながら、日本国では特許出願件数は数十万件あり、登録されている発明も数多くあります。これはどうしたことでしようか?
 我々が特許出願をした場合、特許庁ではその出願内容に詳しい審査官が発明の内容やその新規性等を詳細に検討することになっていると思いますが、夫々の発明について日本国や外国の公報やその発明に関する刊行物を調べることは極めて難しいと思います。
 従って、私見で申し訳有りませんが、公報としては日本国にほぼ限定して新規性を判断しているようです。また、関連刊行物については殆ど調べていないように思われます。従って、その出願の新規性は日本国内にある公報にほぼ限定して判断される場合が多く、このために厳密には新規性がないものでも登録される状態が発生するのではないかと思われます。

 

阿刀田実の「あとから 実る」140

2008/12/3(水) 午前 10:03

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“発明等の新規性について”
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 一方、自分が勝手に新しい発明と思っていても誰かが既に考えているかも知れませんので特許出願する前には必ず先行技術を詳しく調べることが必要となります。前記のように少なくとも日本国内における特許公報等について詳しく調べた上で出願することがなによりもまず必要です。
 もし時間と知識等がおありになる方々は勿論外国の公報や関連刊行物を調べることも必要と思いますが、時間と費用が極めてかかり、一般人では無理のようと思われます。
 先行技術の調査は昔は手で行っていましたので大変の時間がかかり、ミスも多い状態でしたが最近ではコンピュータの発達と特許庁の内部体制の大変な向上により、自宅のパソコンでかなり正確に先行技術を調べることができます。
 勿論この先行技術調査にもスキルと腕前があり、これを支援する無料,有料の機関ず多く存在しますのでその部門とのコンタクトも必要かも知れません。
 しかしながら、折角調査してもダメの場合があります。特許出願は出願された日から1年6ヶ月は誰もが見れない状態におかれます。即ち、1年6ヶ月たって始めてその特許出願の内容が公開されます。
 従って、我々が調査をかなり精密に行っても自分の出願の日より1年6ヶ月前のものを調査することはできません。従って、自分の特許出願の内容と同一又は類似のものが既に出願されていたとしてもこれを見出すことができません。
 このため先行技術を調査しても仕方がないと思ってこの調査をしないで出願する方々も実際上多く存在します。しかしながら、私はこのリスクを十分に承知した上で少なくとも先行技術を自分で調査して出願することが特許出願人の1つのルールと思っております。また、先行技術の調査とは別に出願人が注意しなければならない行動があります。

 

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